「想定外」を「想定内」にする思考法──高貝講師の「防災脳内訓練」のすすめ

「想定外」を「想定内」にする思考法──高貝講師の「防災脳内訓練」のすすめ

世の中には、「想定内」という言葉が溢れています。企業活動でも、個人の生活でも、私たちは常にリスクを「想定」し、その範囲内で物事を進めようとします。しかし、高貝講師が長年警鐘を鳴らし続けてきたように、この「想定」という概念には大きな落とし穴があります。

「想定内」の罠・・・なぜ事故は起こるのか?

「想定内」という言葉は、本来は危険を予測し、それを回避するためのポジティブな思考法であるはずです。しかし、いつしかこの言葉は、リスクを矮小化し、不都合な真実から目を逸らすための言い訳へと変質してしまいました。「想定内」という箱の中に閉じこもることで、私たちは思考停止に陥り、「まさか、こんなことは起きないだろう」という楽観的なバイアスに支配されてしまうのです。

その結果、私たちは何気ない日常の中に潜む危険を見過ごし、ささいなミスや判断の遅れが、やがて取り返しのつかない大事故へとつながっていきます。これが、高貝の言う「想定内」は事故という言葉の真意です。


「想定外」の正体・・・災害は突然やってくる

一方で、「想定外」という言葉は、私たちにとって手のつけようのない、不可避な事象のように捉えられがちです。しかし、高貝講師は「想定外」という言葉を安易に使うことに警鐘を鳴らしています。災害とは、本当に「想定外」なのでしょうか?

地震、津波、台風、豪雨……。これらの自然現象は、いつか必ず発生することが科学的に分かっています。いつ、どこで、どのくらいの規模で起こるかは正確には予測できませんが、その可能性自体は「想定外」ではありません。にもかかわらず、私たちは「まさか、自分の身に降りかかるはずがない」と思い込み、事前の準備を怠ってしまいます。そして、いざ災害が発生した時、「想定外」という言葉で片付けてしまうのです。

しかし、それは思考停止に過ぎません。私たちは、未曾有の事態であっても、その影響を最小限に抑えるための対策を講じることはできます。それが、高貝が提唱する**「想定外」は災害**という言葉の真意です。「想定外」という言葉で思考を停止させるのではなく、「起こりうるかもしれない」という意識を常に持ち、備えることこそが重要なのです。


「防災脳内訓練」のススメ ・・・思考を研ぎ澄ます

では、私たちはどうすれば「想定内」の罠から抜け出し、「想定外」の事態に備えることができるのでしょうか?高貝講師が提唱する答えが、「防災脳内訓練」です。

これは、単なるマニュアル通りの訓練ではありません。日常生活の中で、常に「もしも、この時災害が起きたらどうなるだろう?」と自問自答を繰り返す、頭の中のシミュレーションです。

  • 通勤・通学中:もし今、電車が急停車したら?もし今、大地震が起きたら、私はどこへ逃げるべきか?
  • 自宅:もし今、停電したら、家族はどこにいるか?もし今、ガスが止まったら、どうやって食事をとるか?
  • オフィス:もし今、火災が発生したら、どこに避難すればいいか?もし今、エレベーターが止まったら?

このような「もしも」を日常的に考えることで、私たちは固定観念を打ち破り、柔軟な発想力を養うことができます。

「防災脳内訓練」の具体的なステップ

  1. 危機意識を持つ:まずは、自分や家族の身に危険が迫る可能性があることを認識することから始めます。
  2. 情報収集:住んでいる地域のハザードマップを確認したり、災害に関する情報を積極的に集めたりします。
  3. シミュレーション:上記の例のように、具体的な場面、特に発災その直後を想定して「もしも」を繰り返します。
  4. 具体的な行動計画を立てる:シミュレーションの結果を踏まえ、どこに避難するか、家族とどうやって連絡を取り合うかなど、具体的な行動計画を立てます。
  5. 日頃から備える:災害時の非常持ち出し袋を準備したり、家具の転倒防止対策をしたり、実際に備蓄品を揃えたりします。

この「防災脳内訓練」は、特別な場所や時間を必要としません。毎日の生活の中で、ほんの少し意識を変えるだけで実践できます。そして、この訓練を繰り返すことで、私たちは「想定内」という安心感に甘んじることなく、「想定外」の事態にも冷静に対応できる「防災脳」を鍛えることができるのです。

まとめ

私たちは、常に変化する世界に生きています。過去の経験や常識が通用しない時代において、最も重要なことは、自らの思考をアップデートし続けることです。「想定内」という箱の中に閉じこもっていては、やがて時代に取り残され、思わぬ事故に見舞われることになります。

高貝講師は、防災セミナー「いのちの体験教室®」を通じて、私たち一人ひとりの「意識改革」を訴えかけています。思考を研ぎ澄まし、「もしも」という問いを常に心に留めておくこと。

それこそが、安全で安心な未来を築くため、「大切な自身のいのちを守る」第一歩なのです。

私たちは、自らの「防災脳内訓練」を始め、より強靭な社会を創り上げるために行動すべきです。


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